北摂・虚空蔵山

山行報告  
報告者  西上 正 
山行日 平成22年6月30日  天候 晴れ
ルート 篠山・草野登山口→池→鉄塔→虚空蔵山→虚空蔵寺→三田藍本
 コース
タイム
 草野登山口(9:20/9:25)−池(10:25)−虚空蔵山(12:11/13:00)−虚空蔵寺(13:20/13:30)−藍本登山口(14:00)
 参加者 CL: 西上 正  SL:西上素子
男性:岡部、嘉手狩、後藤、藤富、村上、守口、山口、弓仲、佐坂 
女性:加藤、河野、徳田(幸)、徳田(カ)、堀、吉津
計 17名
 山行報告 

この時期は天候が安定しないので山行担当になると悩むところである。 6月30日も予報では50/50を報じていたが、外れることもよくあり、今回は距離も時間も余りかからないので決行を決めていた。 思惑通りの天候で安心した。 車も順調に走り所定時間に草野に着いた。 早速、村上氏の音頭で準備体操の後出発した。 虚空山の道標はないが道端の草むらの中に『二子山登山道』の苔むした石造標が立っていた。 道は荒れ放題、雑草が覆い繁り、又倒木が行く手を阻んでいる。 これが原因ではないが、右に曲がる所を直進し道間違いを犯す。 引き返し正規ルートへ。 25分位のロスであった。 

正規ルートはのっけから急な坂道となる。 ガイドブック等ではザレ場となっているが、問題にする程の悪路でもない。 唯、蒸し暑いのに閉口した。 汗が身体中から噴出してくる感じである。 ヤット尾根筋の平坦道に登って来た。 思った程風がない。 雑木林の中なので日除けになって助かった。 以外に長く感じた尾根筋を抜け山頂に到着した。 前回は秋口であったので方々を展望出来たが、今回は霞によって六甲山が正面に見られる位。 期待した人があったとすると申し訳ない眺望である。 ユックリと昼食と休憩をとり1時山頂を後にする。 つづら折れの坂道を用心しながら20分で虚空蔵寺に着いた。 『思わぬ浄財が入って』と立札に公示。 それによって寺を修復したとのこと。 以前に来た時は寺の石段を下りると歴史を感じさせる石畳の参道が続いていたが、水に深く剥られ昔の面影がない荒れようで道の体をなしていない。 『浄財』の一部を回せなかったのかと道々考えていたら、バスに着いた。 

 
ヒヤリハット:道間違い 
 
 懐かしの虚空蔵
 岡部貞雄
 

梅雨時の山行は雨がどうなるかの見極めがむつかしく、参加者もそうだが特にリーダーは気をもむことだろう。

今回の虚空蔵山山行も前日の天気予報では現地の降水確率が60%の予報だったので、おそらく中止になるだろうと思っていた。夜半から朝にかけて激しい雨が断続的に降っていたので中止の電話がいつかかってくるかと思っていたが、6時くらいに外に出て空を見上げると雨も上がり、部分的に青空さえ見えている。これは予想に反しての展開に少し驚いたが、予定通り所定の集合場所に行く。やがて元気な顔ぶれが集まり天気の回復を喜ぶ朝の挨拶となった。

時間通りに来たマイクロバスに乗り込む。バスは途中渋滞にもあわずスムーズに走り登山口近くのJR草野駅前に9時を少しまわった頃に着いた。

虚空蔵山は2002年秋、秋山登山のトレーニング登山として計画され、小生が会員になる前に2回目の一般参加者として登った山で、しかも同時期に入会したが事情で一端退会の後、再入会で現在活躍されているSさんとも初めて同行した山でもあり思い出深い山である。

薄日のさす梅雨の晴れ間の登山となり総勢17名で山頂を目指す。のんびりとした田園風景の広がる集落を通り細くなった山道を少し登って行くと、登山口から10数分で薄い緑色の水を満々とたたえた灌漑用と思われる池に出た。この池に見とれたのか、池の端を右に折れている登山道を見落とし森林作業用らしき道を真っ直ぐ進み、やがて道の間違いに気づき引き返したが、30分くらいの時間のロスとなった。

そこからの登山道は急な登りのザレ場となり風が全くなく、汗だくでの登りとなった。太陽の出る天気のよさを喜んでいたが、ここではそれがたまらなく苦痛となる。顔からしたたり落ちる汗をぬぐいながらだんだんと高度を上げていき地図での目標の、一番目の鉄塔を過ぎて眼下に先ほど横を通ってきた池や藍本の集落が望めるようになると、暑さや疲れも少しは癒されるようになった。

尾根に近づくと生い茂った薄暗い樹林の中の道となり、前日の雨で道に堆積した落ち葉が濡れて滑りやすくなっている。特に岩を乗り越えたときが危ない、スリップなどしないように注意しながら進む。

小さなアップダウンの続く尾根に出ると丹波の山並みが望まれた。先日例会で登った篠山市の白髪岳とはわずか数キロしか離れてないのですぐにわかると思っていたが進行方向とは逆になり、しかも立木にさえぎられて余り見通しのよくない尾根で残念ながら見つけられなかった。

山頂近くになり焼き物で有名な立杭の里が下に見えるようになった頃「オロ峠へ」という珍しい名の標識があった。オロとは何を意味するのかと帰って調べてみたら、篠山市今田町史によると諸説あるがその一つに源平の戦いで平家追討の義経軍がこの峠を越えるときにオロオロしたからつけた名という。さて、信じるか信じないかはあなた次第である。

岩が露出して余り広くはない山頂に12時過ぎに着く。山頂に着くや否や異口同音に「暑い!」の言葉で皆山頂に立つ。そこで昼食タイムとなる。

8年前は山頂の岩峰に立つとぐるっと周囲が見渡せ展望のよい山だと思ったが、今は南の方角は開けているが、他の方角は木が大きく茂り眺望の邪魔をするようになっている。

前回は秋に来たので空気も澄み、淡路島や六甲山もはっきり見えたが今日はあいにく霞んで遠望はきかない。

昼食後山頂で全員で記念撮影の後下山。下りは急峻で岩が張り出したり大きな石がゴロゴロ転がったりの道で、転倒しないよう慎重に下る。

下りの途中にも見かけたが、この山の登山道の所々の分岐点に立つ道標が凝っている。さすが立杭焼きの里近くの山とあって道標のプレートは焼き物で出来ていた。

山頂から半時間、急な坂を降りついたこんな山中にと思われるような場所に、聖徳太子ゆかりの寺と言われている虚空蔵寺があった。かなり広い境内だが今は歴史を感じさせるお堂がひっそりと建っているだけだった。

そこからの下りは昔の参道で往時は立派な石畳の道だったようだが、今は所々に原形をとどめて残っている石畳もあるが、そのほとんどは石が割れたり乱雑に積み重なったりと歩きにくい道になってしまっている。

そのうち道は段々と勾配が緩やかになり、傍らは渓流で清らかな水がさわさわと流れ、新緑が日の光で輝く森の中から、時折聞こえる鳥の鳴き声とあいまって何故か清々しい気分になり今日の疲れが抜けていく気がした。        

やがて高速道路を通る車の音が聞こえ出したと思ったら舗装された林道に出た。林道に出て前方を見るとなんとマイクロバスが停まっている。電車ならこれからまだ2~30分歩かねばならないのにありがたい。

午後2時を少し過ぎた頃全員無事下山してバスに乗り込む。今日は思ったより早く下山出来た。ただ、この早い下山が良かったのか悪かったのか、今回の参加者の中には反省することの多い人が何人かいて京田辺での反省会場の開館時間までに早く着きすぎては困るなどと心配する人もいたり、帰りの車中は和気藹々と楽しい歓談の場となった。

梅雨のうっとうしさを忘れる楽しい山行を企画していただいたCLの西上さんはじめ参加された皆さんありがとうございました。